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  • 朝野裕一

動いている格好を修正するには?〜アライメントという考え方:8

動いている時の安定性(動的安定性)というお話の続きです。

一番わかりやすい歩くという動作で考えてみようと思います。

歩いている時の姿勢、格好は歩き始める前の立っている姿勢に影響

されるということは、すでにお話ししました。

では、

歩いている途中の動きを修正することはできるのでしょうか?

昨日書いたように、その瞬間々々の姿勢(動的アライメント)は、

その前の動きに規定されます。

ということは、

瞬間の姿勢、関節の位置関係(アライメント)はその前後の一連の動き

自体にアプローチしないと変えようがないということになります。

よくその瞬間の姿勢だけを再現して運動を学習しようという試みが

行われることがありますが、これだけでは止まった姿勢の再現にしか

ならず、動きの修正には結びつかないのではないかと思います。

それは極端なアプローチだとしても、瞬間の前後を短く取り出して再現

練習をしたとしても、どうでしょうか?もう少し前後の時間的幅が必要

な感じがします。

足が地面に着いた瞬間から足裏全体で体重を支える瞬間を再現したと

しましょう。

踵を地面につけておいて、そこから体重をかけるまでを何回も再現した

としても、踵をつけた瞬間というのは脚を振り出して地面につける際に

かなり速度が伴っています。

最初から踵を地面につけた状態では決してありませんね。

これでは歩くという一連の動きの再現とは言えないでしょう。

では、

もう少し時間を戻して、脚を浮かしたところから踵を地面につける

部分から練習を始めてみたらどうでしょうか?

それでも、

実際に歩いている速度には及ばないので踵をつけた時の速さ・衝撃、

地面を押す方向などが実際の歩行とは異なってしまうでしょう。

さらに、

地面を押して次の動きへ転換するところも端折ってしまうと、同様に

地面を押す力や方向などが実際の歩きとは違うものになってしまい

そうですね。

結論から言えば、

その動きを修正するにはその動きそのものの中で行なって(練習して)

いくということになります。

そのための準備として、関節の動きや必要な筋肉の収縮などを確認し

動く前の姿勢をチェックし、実際の動きを何回も繰り返す、という

練習が必要なのではないかと思います。

歩くことに関しては、その速度を変えてみる(速く・遅く歩いてみる)

とか、条件を変えてどのような変化が現れるかなども、練習としては

いいかもしれません。

その中で、片方の脚が体重を支える時に何か課題があったとしたら、

実はその脚を振り出しているとき、反対側の身体を支えている脚が

不安定だったことが原因の場合もあるでしょう。

そうだとすれば、

実は課題と思われていたのとは反対側の脚の片脚での安定性が練習の

要点になるかもしれません。

動き(の関節位置関係=アライメント)を修正するということは、

ただその瞬間の位置関係を直せばいい、ということにはならない

というのが今日のお話の要点でした

ややこしいお話だったかもしれませんが、動きのダイナミックさは

とても面白いなと思っていただければ、今日のお話の目的が果たせた

ことになり、大変嬉しいです。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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